2026.05.02

相続税の二次相続対策|一次相続で失敗しないための完全ガイド

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香川県高松市で相続税申告や生前の節税対策を専門に取り扱っている、元国税調査官の税理士遠藤直樹です。

相続税の「二次相続対策」は、最初に聞くと少し難しそうですが、実務では非常に重要なテーマです。特にご夫婦とお子様がいる一般的な家庭では、対策の有無で最終的な税負担が大きく変わることがあります。ここでは初心者の方にも分かるように、基本から順を追って解説します。

1.二次相続とは何か

まず「二次相続」とは何かを押さえましょう。

  • 一次相続:父が亡くなり、母と子が相続するケース
  • 二次相続:その後、母が亡くなり、子が相続するケース

このように、同じ家庭内で相続が2回発生するため、「二次相続」と呼ばれます。

多くの方は一次相続の対策だけを考えがちですが、実は最終的な税負担は二次相続まで含めて考える必要があります

2.なぜ二次相続対策が重要なのか

二次相続対策が重要な理由は、主に次の3つです。

(1)配偶者の税額軽減があるから

一次相続では、配偶者には大きな優遇があります。

  • 1億6,000万円まで
    または
  • 法定相続分まで

であれば相続税がかからない「配偶者の税額軽減」があります。

そのため一次相続では、
「とりあえず配偶者に多く渡して税金ゼロにしよう」
と考えがちです。

しかしここに落とし穴があります。

(2)二次相続では配偶者がいない

二次相続では、配偶者はすでに亡くなっているため、この優遇が使えません。

つまり、

  • 一次相続:税金ほぼゼロ
  • 二次相続:一気に高額課税

ということが起こり得ます。

(3)基礎控除が減る

相続税には基礎控除があります。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば

  • 一次相続:配偶者+子2人 → 4,800万円
  • 二次相続:子2人のみ → 4,200万円

このように、相続人が減ることで控除額も減少します。

3.よくある失敗パターン

初心者の方が陥りやすい典型例を見てみましょう。

ケース

  • 父の財産:1億円
  • 母と子2人が相続人

一次相続で「税金ゼロ」を目指し、
→ 母がすべて相続

するとどうなるか?

二次相続

母の財産:1億円
→ 子2人で相続

この時は

  • 配偶者控除なし
  • 基礎控除も減少

結果として、トータルの相続税が大きくなる可能性があります。

4.二次相続対策の基本的な考え方

二次相続対策の核心はシンプルです。

👉 「一次相続と二次相続を合計して最も税金が少なくなる分け方」を考えること

つまり、

  • 一次相続だけを見ない
  • 二次相続まで含めてシミュレーションする

これが基本です。

5.具体的な対策方法

(1)配偶者に財産を集中させすぎない

最も重要なポイントです。

一次相続で

  • 配偶者 100%
    ではなく、

例えば

  • 配偶者:6割
  • 子:4割

など、子にもある程度分けておくことで、二次相続の課税対象を減らせます。

(2)将来の財産増加を考慮する

配偶者が相続した財産は、その後

  • 預金利息
  • 株式の値上がり
  • 不動産の収益

などで増える可能性があります。

つまり、
👉 二次相続では「さらに大きな財産」になる可能性

これも見越して分割を考える必要があります。

(3)小規模宅地等の特例の活用

自宅や事業用の土地には評価減の特例があります。

ただし、

  • 誰が相続するか
  • 同居の有無

によって適用可否が変わります。

一次相続で安易に配偶者に集中させると、
二次相続でこの特例が使えなくなるケースもあるため注意が必要です。

(4)生前贈与の活用

二次相続対策として有効なのが生前贈与です。

例えば

  • 年間110万円の基礎控除を活用
  • 子や孫へ計画的に移転

これにより、将来の相続財産を減らすことができます。

ただし「暦年課税」を適用した相続人に対する贈与は、相続開始7年前にさかのぼって相続財産に加算されるよう税制改正がありましたので、これまでどおり「暦年課税」を適用するのか、あるいは「相続時精算課税」を適用するのかの検討が必要となります。

(5)生命保険の活用

生命保険には非課税枠があります。

500万円 × 法定相続人の数

これを活用することで、

  • 現金を効率よく移転
  • 納税資金の確保

が可能になります。

ただし相続税の二次相続対策における生命保険の活用につきましてはいくつか注意点があります。

法定相続人以外の方が受け取った生命保険金につきましては「500万円 × 法定相続人の数」の非課税規定はありません。受け取った金額にそのまま相続税が課税されます。

また受け取った人が被相続人の配偶者、子、親、以外の場合は通常納める相続税の金額より2割多く納付する(相続税の2割加算)必要があります。

相続人以外の人が受け取った生命保険金は遺贈扱いとなります。

つまり生前贈与加算の対象となるということになりますので保険契約の見直しをしておいた方がよいでしょう。

6.実務上のポイント

二次相続対策は、単純な計算だけでは決められません。

以下の要素も重要です。

  • 配偶者の生活資金の確保
  • 子ども間の公平性
  • 不動産の分割しやすさ
  • 納税資金の有無

つまり、
👉 「税金だけでなく家族全体のバランス」が大切

実際に相続が発生し遺産分割を行う場合、二次相続のことを考えて子供に多く財産を相続させることは容易ではありません。

被相続人の配偶者の立場からすれば「これだけの財産を築けたのは配偶者である私の内助の功があったから。」という思いがあるからです。

そういった場合に備えて、相続税専門の税理士に依頼しいくつかのシミュレーションを行い、具体的な数字を提示して説明することが遺産分割をスムーズに行える秘訣です。

7.まとめ

二次相続対策の要点を整理すると次の通りです。

  • 相続は2回セットで考える
  • 一次相続で配偶者に集中させすぎない
  • 基礎控除や特例の変化を意識する
  • 生前贈与や保険も活用する
  • 家族全体の事情も踏まえる

特に重要なのは、

👉 「一次相続で節税=正解とは限らない」

という点です。

相続税対策は、一度きりの判断ではなく「将来を見据えた設計」が求められます。二次相続まで見据えて準備しておくことで、無駄な税負担を避けるだけでなく、円満な資産承継にもつながります。

もし実際に検討する場合は、具体的な財産状況をもとにシミュレーションすることが非常に重要です。

当事務所では初回無料相談を行っております。

相続税の概算や税務調査で指摘されやすいポイントの整理など、元国税職員の税理士だからこそ提案を行うことができます。

相続発生後では対応が難しいケースも多いため、早めの確認をおすすめします。

まずはお気軽にご相談ください。

執筆者紹介

代表

税理士 遠藤 直樹

遠藤税理士事務所 代表

香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。

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