相続税はいくらから?基礎控除とは?相続税の基本を確認
香川県高松市で相続税申告や生前の節税対策を専門に取り扱っている、元国税調査官の税理士遠藤直樹です。
相続税は「財産を相続したときにかかる税金」ですが、すべての人にかかるわけではありません。まずは「いくらから課税されるのか」という基本から、初心者にも分かりやすく全体像を整理します。
目次
1.相続税はいくらからかかるのか
相続税には「基礎控除」という非課税枠があります。
この金額を超えた場合にのみ、相続税が発生します。
基礎控除の計算式は次のとおりです。3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例えば、
- 相続人が配偶者と子2人(計3人)の場合
→ 3,000万円 + 600万円×3人 = 4,800万円
つまり、遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。
この基礎控除があるため、日本では実際に相続税が課税される人は全体の1割程度といわれています。
2.相続税の対象となる財産
相続税は「亡くなった方(被相続人)の財産」に対してかかります。主なものは以下のとおりです。
(1)プラスの財産
- 現金・預貯金
- 不動産(土地・建物)
- 株式・投資信託などの有価証券
- 生命保険金(一定の非課税枠あり)
- 退職金(死亡退職金)
(2)マイナスの財産
- 借入金(住宅ローンなど)
- 未払金
- 葬式費用
相続税は「プラスの財産 − マイナスの財産」で計算されます。
3.相続税の計算の流れ
相続税は少し複雑ですが、大まかな流れは次のとおりです。
① 遺産総額を計算する
② 基礎控除を差し引く
③ 課税対象額を法定相続分で分ける
④ 各人ごとに税率をかける
⑤ 実際の取得割合で按分する
税率は「累進課税」となっており、金額が大きいほど税率が上がります。
例えば課税価格ごとの税率は以下のようになっています。
- 1,000万円以下:10%
- 3,000万円以下:15%
- 5,000万円以下:20%
- 1億円以下:30%
- それ以上:最大55%
4.相続税の申告と納付
相続税は自動的に課税されるものではなく、自分で申告する必要があります。
申告期限
亡くなったことを知った日の翌日から 10か月以内
納付方法
原則として「現金一括納付」です。
ただし、納付が難しい場合は
- 延納(分割払い)
- 物納(不動産などで納付)
といった制度もありますが、条件は厳しめです。
5.重要な特例(税額が大きく減る制度)
相続税には負担を軽くする特例がいくつかあります。
(1)配偶者の税額軽減
配偶者は
- 1億6,000万円
または - 法定相続分
のいずれか多い金額まで、相続税がかかりません。
そのため、配偶者が多く相続する場合は税額がゼロになるケースも多いです。
(2)小規模宅地等の特例
自宅の土地などについて、評価額を最大80%減額できる制度です。
例えば
- 自宅の土地:5,000万円
→ 評価額が1,000万円になることも
相続税対策として非常に重要な制度です。
6.よくある誤解
初心者の方がよく誤解しやすいポイントを整理しておきます。
誤解①「遺産が少しでもあれば税金がかかる」
→ 基礎控除以下なら 一切かかりません
誤解②「生命保険はすべて課税される」
→ 「500万円 × 法定相続人」の非課税枠があります
誤解③「自宅は必ず高額評価される」
→ 特例により大幅に減額される可能性があります
7.相続税対策の基本
相続税対策は大きく3つに分けられます。
(1)財産を減らす
- 生前贈与(年間110万円まで非課税)
- 住宅取得資金の贈与
(2)評価額を下げる
- 不動産の活用
- 小規模宅地の特例の活用
(3)納税資金の準備
- 生命保険の活用
- 現金の確保
まとめ
相続税のポイントを整理すると以下のとおりです。
- 「3,000万円+600万円×相続人」までは非課税
- 課税対象は「財産−借金」
- 税率は10%〜55%の累進課税
- 申告期限は10か月以内
- 特例を使えば大幅に軽減可能
相続税は一見難しそうですが、「基礎控除」「特例」の2つを押さえるだけでも全体像はかなり理解しやすくなります。
執筆者紹介

税理士 遠藤 直樹
遠藤税理士事務所 代表
香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。






