2026.06.12

名義預金とは?相続税の税務調査で指摘されるポイントと対策をわかりやすく解説

現在の画像に代替テキストがありません。ファイル名: 34588967_l-scaled.jpg

相続税の申告において、税務調査で特に問題になりやすいものの一つが「名義預金」です。

「子どもの将来のために子ども名義の口座を作って貯金していた」「孫名義の通帳に毎年お金を入れていた」というケースは珍しくありません。しかし、その預金が名義預金と判断されると、亡くなった方の相続財産として相続税の課税対象になる可能性があります。

今回は、名義預金とは何か、どのような場合に相続税の対象となるのか、具体例を交えながらわかりやすく解説します。

名義預金とは

名義預金とは、預金口座の名義人と実際の所有者が異なる預金のことをいいます。例えば、口座の名義は子どもであっても、実際には親が資金を出し、管理している場合などが典型例です。名義預金は法律上の正式な用語ではありませんが、相続税の実務では広く使われています。

相続税では、名義ではなく「実質的に誰の財産なのか」が重要です。そのため、子どもや孫の名義になっていても、実質的に亡くなった方の財産と判断されれば相続税の対象となります。

名義預金が問題になる理由

多くの方は「名義が違うのだから自分の財産ではない」と考えがちです。

しかし、税務署は預金の名義だけではなく、実際のお金の流れや管理状況を確認します。

例えば、

  • 誰がお金を捻出したのか
  • 誰が通帳や印鑑を管理していたのか
  • 名義人本人が口座の存在を知っていたのか
  • 名義人が自由にお金を使えたのか

などを総合的に判断します。

名義預金と判断される具体例

ケース1 子ども名義の口座に親が積み立てていた

父親が子ども名義の口座を開設し、毎月5万円ずつ積み立てていたケースです。

通帳と印鑑は父親が保管し、子どもは口座の存在すら知りませんでした。

この場合、預金の原資は父親であり、管理も父親が行っています。そのため、税務上は父親の財産と判断される可能性が高くなります。

では未成年の子や孫に贈与することはそもそもできないのかという話になります。

子供や孫への贈与を有効にするにはどうしたらいいのでしょうか。

子供が未成年のあいだは単独で契約行為は行えません。

贈与は「贈与契約」という契約行為になります。

子供が未成年のあいだは親が子供の代理人として契約することで贈与が成立します。

未成年の子供の代わりに親が子供の財産を管理することはごく自然なことです。

大事なことは、「子供が成人した際に、今まで子供の代わりに管理してきた贈与財産を子供に管理させていく」ということです。

ケース2 孫名義の教育資金口座

祖父が孫のために口座を作り、数百万円を預けていました。

しかし、通帳は祖父が管理し、孫は自由に引き出すことができませんでした。

この場合も、実質的な所有者は祖父であると判断され、名義預金となる可能性があります。

対策としてはケース1と同様になります。

ケース3 専業主婦名義の預金

妻名義で1,000万円以上の預金があるものの、収入源はすべて夫であり、夫が管理していたケースです。

税務調査で最も指摘されやすいケースの一つです。

具体的には

夫から毎月生活費として渡されたお金のうち、使い残しを妻が自分名義の口座に積み立てていたケースなどがあります。

  • 毎月20万円の生活費を受け取る
  • 実際には15万円しか使わない
  • 残り5万円を30年間貯金

この場合、妻は生活費の管理をしていただけで、単に夫の収入を別口座に移していただけと認定され、名義預金と判断される可能性が高くなります。

人が資産を作るケースには大きく3つの行為があります。

  • 自らの収入で資産をつくる
  • 贈与により資産をつくる
  • 相続により資産をつくる

日本の法律では夫婦の財産は別々ということになっています。

収入がないケースで贈与や相続により財産の取得がない場合、基本的にはその人固有の財産は構築できないという理屈になってしまいます。

日本の法律では夫婦は相互に扶養義務があり、夫婦間については税法上でも所得税の配偶者控除を中心とした優遇措置が多数あります。

相続税につきましても配偶者の税額軽減の制度があり、配偶者が相続により財産を取得した場合、法定相続分または1憶6,000万円までは相続税がかからない仕組みになっています。

収入等のない配偶者の資産の構築は認めない代わりに配偶者の内助の功を考慮した税制措置となっています。

では夫婦間で贈与を行う場合は具体的にどのようにしたらいいのか。

夫婦間では財産の管理方法や印鑑・通帳の保管場所などは同じというケースがほとんどです。

これらのことを踏まえて対外的に贈与を証明するにはやはり「贈与契約書の作成」や「贈与税の申告」が効果的だと思われます。

税務署はどのように確認するのか

相続税の税務調査では、被相続人本人だけでなく、配偶者や子どもの預金口座も調査対象になります。

税務署は金融機関への照会権限を持っており、過去の取引履歴や資金移動の状況を確認できます。被相続人の収入や資産状況と照らし合わせながら、実際の所有者を判断します。

そのため、「家族名義だから分からないだろう」と考えるのは危険です。

家族の財産を全て把握していると思って申告書の作成を行う必要があります。

名義預金と生前贈与の違い

名義預金と生前贈与は混同されやすいですが、両者は全く異なります。

生前贈与が成立するためには、

  • 贈与する人の意思
  • 受け取る人の承諾
  • 財産の移転

が必要です。

つまり、子ども本人が贈与を受けたことを認識し、自分で管理できる状態になっていなければなりません。

親が勝手に口座を作り、子どもが知らないまま積み立てているだけでは、生前贈与とは認められない可能性があります。

名義預金と判断された場合のリスク

名義預金と判断された場合、その預金は相続財産に加算されます。

「名義預金を作成したのは何年も前だからすでに時効が成立しているだろう」と考える方もいらっしゃいますが、名義預金に時効はありません。

名義預金は元々真の所有者の財産と認定されているもので、逆にいうと贈与が成立していないということになるからです。

例えば、

本来の相続財産が8,000万円であったところ、何年も前に作成した名義預金が2,000万円見つかれば、相続財産は1億円として計算されることになります。

また、相続税の申告後に名義預金が発覚した場合には、

  • 本来納めるべき相続税
  • 延滞税
  • 加算税

などが課される可能性があります。悪質と判断された場合には重加算税の対象となることもあります。

「ダメもとで名義預金は申告せずに税務署に指摘されたら申告しよう」という考えの方がたまにいらっしゃいます。

先にも記載しましたとおり、家族名義の申告漏れは重加算税の対象になる場合が数多くあります。

「被相続人の財産と認識しながら家族の名義になっている状態を利用し、申告から故意に除外した」という理屈です。

また重加算税の対象として認定された財産は配偶者の税額軽減の制度も使えません。

なお、配偶者が名義預金を取得するのであれば、税額も思っていたほど増えないケースが多くありますので専門の税理士によく相談することをおすすめします。

名義預金と指摘されないための対策

名義預金と判断されないためには、生前から適切な管理を行うことが重要です。

具体的には、

  1. 贈与契約書を作成する
  2. 贈与を受けた人が通帳や印鑑を管理する
  3. 贈与を受けた人が自由に使える状態にする
  4. 必要に応じて贈与税申告を行う
  5. 資金移動の記録を残しておく

といった対策が有効です。

まとめ

名義預金とは、預金の名義人と実際の所有者が異なる預金のことです。相続税では名義ではなく実質的な所有者が重視されるため、子どもや孫の名義であっても、実質的に被相続人の財産であれば相続税の対象になります。

相続税の税務調査では名義預金が重点的に確認されるため、「家族名義だから大丈夫」と考えるのは危険です。生前から適切な贈与手続きを行い、財産の管理状況を明確にしておくことが、将来の相続トラブルや追徴課税を防ぐための重要なポイントといえるでしょう。

香川県高松市の遠藤直樹税理士事務所では初回無料相談を実施中です。

見積もりも無料ですので相続税の申告が必要の際はぜひ一度ご相談ください。

執筆者紹介

代表

税理士 遠藤 直樹

遠藤税理士事務所 代表

香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。

お電話でのご相談

087-805-6252

受付時間:
9:00~18:00(土日祝日休み)

※事前予約で土日祝・夜間も対応可能

メールフォームでのご相談

無料相談はこちら 24時間受付中

コラムタグ一覧

相続税専門税理士の無料相談を
ご利用ください。

申告が必要かどうかの判断から、概算の納税額の試算まで、初回のご相談は無料です。
一人で悩まず、まずはお気軽に相続手続きについてご相談ください。

お電話でのご相談

087-805-6252

受付時間:
9:00~18:00(土日祝日休み)

※事前予約で土日祝・夜間も対応可能

メールフォームでのご相談

無料メールフォームはこちら 24時間受付中

香川県全域のご相談に
対応しております

ご契約いただいたお客様は、香川県内であればご指定の場所まで無料で出張訪問いたします。
ご自宅や最寄りのカフェなど、リラックスできる環境でお話をお伺いしますので、
お気軽にお申し付けください。

高松市
香川郡
木田郡
丸亀市
善通寺市
仲多度郡
坂出市
綾歌郡
観音寺市
三豊市
さぬき市
東かがわ市
小豆郡
相続税申告 生前節税対策 お問い合わせ