2026.05.29

相続税の税務調査に入りやすい申告書とは?税理士が特徴を解説

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香川県高松市で相続税申告や生前の節税対策を専門に取り扱っている、元国税調査官の税理士遠藤直樹です。

 私が相続税の申告を依頼される際によく質問を受けることが「うち位の申告書でも税務調査の対象になるのでしょうか」ということです。

 今回は私の経験を基に「どのような申告書が税務調査の対象になりやすいか」「申告書を提出する際に注意すべき点はあるのか」などについて分かりやすく解説したいと思います。

はじめに

相続税の申告をした後、「税務調査が来るのではないか」と不安になる方は少なくありません。

実際、相続税は現金や預金の動き、不動産の評価、生前贈与など確認事項が多く、税務署も重点的にチェックを行う税目の一つです。

しかし、すべての申告書が税務調査の対象になるわけではありません。
税務署が「確認が必要」と判断しやすい申告書には、一定の特徴があります。

相続税の税務調査とは

相続税の税務調査とは、提出された申告書の内容が正しいかを税務署が確認する手続きです。

特に相続税は、

  • 現金
  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式などの有価証券
  • 生前贈与加算

など財産の種類が多く、申告漏れが発生しやすい税目です。

税務署は亡くなった方の過去の所得や預金の動き、不動産の所有状況などを把握しているため、申告内容との整合性を確認しています。

税務調査の対象になりやすい相続税申告書の特徴

1.名義預金が疑われるケース

税務調査で特に多いのが「名義預金」です。

「名義預金」とは、名義そのものは亡くなった方の家族などであるが、実際は亡くなった方の財産であるというものです。

例えば、

  • 子ども名義の口座
  • 孫名義の口座
  • 配偶者名義の口座

であっても、実際には被相続人が管理していた場合、相続財産として扱われる可能性があります。

特に、

  • 印鑑を被相続人が管理していた
  • 通帳を被相続人が保管していた
  • 贈与契約書が存在しない

といった場合は注意が必要です。

「名義預金」の作成の理由は様々で、

  ・名義預金を作成するだけで贈与をしたつもりになっていた

  ・名義預金を作成し自分の頭の中将来の遺産分割を整理していた

  ・名義預金を作成し申告から除外しようとしていた

などがあげられます。

また残された相続人の方も

  ・名義が亡くなった方以外であるため申告する必要がないと思っていた

  ・名義預金を作ったのが大分昔の話で、すでに時効により相続税の申告に関係ないと思っていた

  ・そもそも名義預金の存在を知らなかった

このような理由で申告漏れになることが多々あります。

実際税務調査において名義預金を指摘された場合、修正申告書の提出を余儀なくされる場合があります。

修正申告書を提出した場合、本来納めるべき税金(本税)に加え、加算税・延滞税を納める必要があります。

中でも家族名義預金を指摘された場合の修正申告に対する加算税につきましては、重加算税を賦課される可能性が高く、申告書に計上すべきかどうかの判断は慎重にすべきです。

2.死亡数年前に多額の預金移動があるケース

被相続人が亡くなる直前に多額の出金や資金移動がある場合、税務署は使途を確認することがあります。

例えば、

  • 家族名義口座への移動
  • 高額な現金の引き出し
  • 高額な支払

などは重点的に確認されやすいポイントです。

名義預金と同じく大きな資金移動など通常生活している分には見られない口座の動きなどは特に注意が必要です。

  ・家族名義が作成されていないか

  ・預金から現金で引き出し、現金そのものを保管していないか

  ・高額なもの(車・貴金属・有価証券)を購入していないか

  ・将来の葬儀に備えて相続開始直前に出金していないか

このように亡くなった方の預貯金が減少したことには何らかの理由があります。

税務調査では

「生活費として使用した」という説明だけでは足りず、領収書や資金使途の説明を求められる場合もあります。

3.土地評価を大きく減額しているケース

相続税では土地評価が大きな争点になることがあります。

特に、

  • 小規模宅地の特例
  • 不整形地補正
  • 地積規模の大きな宅地の評価
  • 貸宅地評価

などを適用して大幅に評価減している場合、税務署が確認を行う可能性があります。

土地は相続財産を構成する中で非常に大きな金額を占めます。

小規模宅地の特例など財産評価の判断に迷う部分も多々あり、場合によっては相続税の申告書を作成する上で最も困難な箇所になりえる部分です。

土地の形状や利用状況について、現地確認が行われるケースもあり、一つの判断で評価額が大きく変わり、納める税金にも多大な影響がでます。

「相続税の申告書は相続税専門の税理士に依頼すべき」と言われる所以かもしれません。

4.高額な相続財産があるケース

相続財産が高額な場合、税務調査対象になりやすい傾向があります。

特に、

  • 相続財産総額が2億円超
  • 不動産を多数所有
  • 自社株を保有
  • 金融資産が多額

といったケースでは、税務署も慎重に確認を行います。

相続税の税率は累進課税方式となっています。

課税される財産が多ければ多いほど税率も高くなり納める税金も増えるということです。

高額な財産がある場合は必然的に税率も高くなり、少しの申告漏れがあったとしてもより多くの税金を納める必要が出てきます。

 ・100万円の申告漏れがあった場合の納める税金

  税率10%の場合:10万円

  税率30%の場合:30万円

税率が違うだけで3倍の税金を納める必要があります。

5.税理士が関与していない自己申告

今まで解説してきたとおり、相続税申告は非常に専門性が高いため、自己申告の場合は計算誤りや申告漏れが発生しやすくなります。

特に、

  • 財産評価の誤り
  • 債務控除漏れ
  • 生前贈与の記載漏れ
  • 各特例の適用誤り

などは頻繁に見られます。

確かに税理士に依頼すると費用は掛かります。

しかしそれ以上に自信で申告した場合には

 ・申告漏れや財産評価誤りがあり修正申告をするはめになる

 ・使える特例も分からずに、結果多くの税金を負担するようになる

 ・なれない申告書の作成に多くの時間や体力を使う

税理士が関与している場合でも税務調査はありますが、専門の税理士に依頼することでその可能性は少なくなると考えます。

6.過去の所得と財産額が一致しないケース

税務署は被相続人の過去の所得状況を把握しています。

そのため、

  • 所得に比べて預金残高が多い
  • 逆に財産が少なすぎる
  • 不自然な資金移動がある

といった場合は、申告漏れを疑われることがあります。

税務調査でよく確認されるポイント

税務調査では、特に以下の点が確認されます。

各種特例の適否

被相続人やご家族の預貯金(名義預金を含む)

過去の大きな預貯金の動き

生前贈与

亡くなる直前に出金した現金

不動産評価

相続開始前後の出金

生命保険金

家庭用財産

各種特例の適否

正しい申告書を作成するための今後の対策

財産資料を整理しておく

通帳、証券資料、不動産資料などを整理しておくことで、申告内容の信頼性が高まります。

生前贈与は契約書を作成する

名義預金と判断されないためには、贈与契約書や振込記録を残すことが重要です。

土地評価は専門家に確認する

土地評価は相続税額に大きく影響します。
誤った評価は税務調査につながる可能性があります。

相続税に強い税理士へ相談する

相続税は専門性が高いため、相続税に強い税理士へ相談することで、申告漏れや評価誤りを防ぎやすくなります。

まとめ

相続税の税務調査は、すべての申告書に対して行われるわけではありません。

しかし、

  • 名義預金
  • 高額相続
  • 不自然な預金移動
  • 土地評価の大幅減額

などがある場合は、税務署が重点的に確認する可能性があります。

適切な資料整理と正確な申告を行うことで、税務調査リスクを減らすことができます。

また、わざと財産から除外したわけでもないのに申告書に計上漏れをする方が多くいらっしゃいます。

何を申告して、何を申告する必要がなく、どのような控除があり、どのような特例があるのか、知っていると知らないとで納める税金に大きな影響がでます。

相続税申告に不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

香川県高松市の遠藤直樹税理士事務所では、初回無料相談を行っております。

概算の税額や申告依頼をされた際の見積も無料で行っておりますのでお気軽にご連絡ください。

執筆者紹介

代表

税理士 遠藤 直樹

遠藤税理士事務所 代表

香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。

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