相続税対策はいつから?高松の元国税調査官が教える「時間を味方にする」節税計画

香川県高松市で相続税申告や生前の節税対策を専門に取り扱っている、税理士の遠藤直樹です。私は国税局・税務署に28年間勤務した経験を持つ、元国税調査官の税理士です。
「相続税対策って、いつ頃から考え始めるのが良いのだろう?」
「まだ元気だし、財産もそれほど多くないから、まだ先の話かな…」
将来の相続について考え始めたとき、多くの方がこのように感じられるかもしれません。しかし、相続税対策においては、「まだ早い」ということはありません。むしろ、早ければ早いほど有利になることが多いのです。
この記事では、なぜ相続税対策は早期に始めることが推奨されるのか、その具体的な理由と、対策を考え始めるタイミングの目安について、香川県・高松市の皆様に向けて解説します。
目次
相続税対策、「まだ早い」と思っていませんか?
相続税対策というと、何か特別な準備が必要で、ご高齢になってから、あるいは多額の資産をお持ちの方が考えるもの、というイメージがあるかもしれません。
相続は誰にでも起こり得る、備えは早すぎることはない
しかし、相続は誰にでも、いつか必ず訪れるものです。そして、ご家族が円満に財産を引き継ぎ、余計な税負担を避けるための準備は、いつ始めても早すぎるということはありません。
むしろ、時間を味方につけることで、より多くの選択肢の中から、ご自身とご家族にとって最適な方法を選ぶことが可能になります。
香川県・高松市でも相続税が身近になっている現状
以前の記事でも触れましたが、平成27年の税制改正以降、香川県・高松市においても相続税の申告が必要となる方の割合は増加傾向にあります(令和4年分 香川県課税割合9.4%)。
「うちは大丈夫」と思っていても、基礎控除額の引き下げにより、予想外に申告が必要となるケースも考えられます。他人事と考えず、まずはご自身の状況に関心を持つことが大切です。
なぜ相続税対策は「時間をかけるほど効果が出る」のか?
相続税対策、特に生前対策は、時間をかけて計画的に行うことで、その効果を最大限に高めることができます。その主な理由を5つご紹介します。
理由1 暦年贈与の非課税枠を最大限活用できる
生前贈与の最も基本的な方法である「暦年贈与」には、年間110万円の非課税枠があります。この枠を利用して、毎年コツコツと財産を移転していくことで、将来の相続財産を効果的に減らすことができます。
例えば、お子様2人に毎年110万円ずつ贈与する場合、10年続ければ合計2,200万円、20年続ければ4,400万円もの財産を非課税で移転できる計算になります。
開始時期が早ければ早いほど、この非課税枠を活用できる回数が増え、より大きな節税効果が期待できます。
理由2 贈与の「持ち戻し期間(7年ルール)」の影響を最小限にできる
令和6年1月1日以降の暦年贈与については、相続開始前7年以内に行われたものが相続財産に加算(持ち戻し)されるルールに変更されました。
つまり、亡くなる直前の7年間の贈与は、相続税対策としての効果が薄れてしまうということです。
裏を返せば、7年よりもっと前から贈与を開始していれば、持ち戻しの対象とならない財産をより多く残せる可能性が高まります。早期からの計画的な贈与が、このルール改正への有効な対策となります。
理由3 生命保険などを活用した納税資金準備に時間が使える
相続税は原則として現金一括納付です。相続財産の大半が不動産などの場合、納税資金の確保が大きな課題となります。
生命保険(死亡保険金)は、受取人固有の財産としてスムーズに現金を受け取れ、納税資金に充てやすいというメリットがあります。また、非課税枠(500万円×法定相続人の数)もあります。
しかし、生命保険への加入は、年齢や健康状態によっては制限される場合があります。若く健康なうちから検討・加入しておくことで、将来の納税資金を無理なく、有利な条件で準備できる可能性が高まります。
理由4 不動産の評価や活用方法をじっくり検討できる
香川県・高松市内にお持ちの不動産(土地・建物)は、相続財産の大きな部分を占めることが多いでしょう。
相続税評価額を適正に引き下げるための対策(例:賃貸アパートの建設など)や、将来の分割・納税を見据えた活用方法(売却、組み換えなど)は、検討から実行までに時間がかかるものが少なくありません。
時間に余裕があれば、専門家と相談しながら、様々な選択肢を比較検討し、最適な不動産対策を実行することが可能になります。
理由5 ご家族と円満に話し合う時間を確保できる
相続や財産のことは、ご家族にとってもデリケートな問題です。
元気なうちから時間をかけて、ご自身の想いや考えをご家族に伝え、将来の財産の分け方などについて話し合っておくことは、相続時の無用なトラブル(争族)を防ぐ上で非常に重要です。
時間的な余裕があれば、感情的にならず、冷静に、建設的な話し合いを進めやすくなります。
相続税対策を始める「タイミング」の目安とは?

「早い方が良いのは分かったけれど、具体的にいつ頃から考えれば…?」という方のために、対策を始めるきっかけとなるタイミングの例をいくつかご紹介します。
退職や還暦など、人生の節目を迎えたとき
定年退職や還暦(60歳)は、多くの方にとって、ご自身の資産状況を見直し、セカンドライフや将来の相続について具体的に考える良い機会となります。特に、相続時精算課税制度は原則60歳以上の父母・祖父母からの贈与が対象となるため、このタイミングで検討を始める方も多くいらっしゃいます。
子供や孫が生まれた、独立したなど、家族構成に変化があったとき
お子様やお孫様が生まれた、あるいは就職や結婚で独立された、といった家族構成の変化も、財産の承継について考えるきっかけになります。「誰に」「何を」残したいか、具体的な想いと共に、贈与などを検討するタイミングと言えるでしょう。
不動産の購入や売却など、資産状況に変動があったとき
ご自宅の買い替えや、賃貸アパートの建設、遊休地の売却など、資産状況に大きな変化があったときは、相続税評価額も変動します。そのタイミングで現状の相続税額を試算し直し、必要に応じて対策を見直すことが重要です。
「そろそろ考えないと」と思い立った、まさにその時
最も重要なのは、「そろそろ相続対策について考えないといけないな」とご自身が感じた、まさにその瞬間です。
「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにせず、その気持ちを大切に、まずは情報収集や専門家への相談といった第一歩を踏み出すことをお勧めします。
早期に始める「計画的な節税プラン」の考え方
相続税対策は、ただ闇雲に贈与を繰り返せば良いというものではありません。時間を味方につけ、計画的に進めることが成功の鍵です。
まずは現状把握:財産リスト作成と相続税試算
対策のスタートは、ご自身の財産を正確に把握することです。預貯金、不動産(香川県内の土地・建物)、有価証券など、全ての財産をリストアップし、それぞれの相続税評価額を調べます。
その上で、現在の法定相続人に基づいて基礎控除額を計算し、相続税がどのくらいかかるのか(または、かからないのか)を試算します。この現状把握が、対策の必要性や方向性を決める上で不可欠です。
長期的な視点での目標設定(誰に、何を、どう残したいか)
次に、ご自身の想いを整理します。「誰に」「どの財産を」「どのように」残したいのか、具体的な目標を設定します。配偶者の老後の生活資金、お子様への均等な分配、事業の後継者への承継など、ご家族の状況やご自身の考えを明確にすることが、最適なプランニングに繋がります。
ご自身の状況に合った対策の組み合わせ(贈与、保険、遺言など)
現状把握と目標設定ができたら、具体的な対策を検討します。
暦年贈与や相続時精算課税制度を活用した生前贈与、生命保険による納税資金準備、不動産の評価引き下げ対策、遺言書の作成による円満な分割指示など、様々な選択肢の中から、ご自身の状況や目標に合わせて最適な方法を組み合わせ、長期的な計画(プラン)を立てていきます。
時間を味方につけるために、専門家への早期相談が有効
相続税対策は、早期に始めるほど選択肢が広がり、より効果的なプランを実行できる可能性が高まります。
最新の税制に基づいた、長期的なプランニングをサポート
相続税や贈与税の制度は複雑で、毎年のように改正が行われます。ご自身だけで最適なプランを立て、実行していくのは容易ではありません。
相続税に詳しい税理士に早めに相談することで、最新の税法に基づいた適切なアドバイスを受けながら、ご自身の状況に合った、無理のない長期的な対策プランを一緒に作成していくことができます。
「相続税対策はいつから?」まとめ
- 相続税対策は「早ければ早いほど有利」です
時間を味方につけることで、選択肢が広がり、より効果的な対策が可能になります。 - 早期開始のメリットは多数:贈与非課税枠の活用、持ち戻し期間対策、納税資金準備など
計画的に進めることで、節税効果を高め、将来の不安を軽減できます。 - 始めるタイミングは「思い立ったが吉日」
人生の節目や資産状況の変化だけでなく、「そろそろ」と感じた時が最適なスタート時期です。 - まずは現状把握(相続税試算)から。専門家への早期相談が計画的な対策の鍵
香川県・高松市の皆様の状況に合わせたプランをご提案します。
将来の相続について考え始めるのに、「早すぎる」ということは決してありません。むしろ、早く始めることで、より多くの安心を手に入れることができます。
香川県・高松市で、「相続税対策、いつから何を始めればいいか分からない」とお悩みの方は、ぜひ一度、遠藤直樹税理士事務所の無料相談をご利用ください。お客様の未来を見据えた、最適な対策プランを一緒に考えさせていただきます。
執筆者紹介

税理士 遠藤 直樹
遠藤税理士事務所 代表
香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。






