【香川県・高松市】相続税はいくらから?基礎控除計算と申告が必要な人を解説

香川県高松市で相続税申告や生前の節税対策を専門に取り扱っている、税理士の遠藤直樹です。私は国税局・税務署に28年間勤務した経験を持つ、元国税調査官の税理士です。
「相続税って、いったいいくらの財産からかかるものなの?」
「うちは普通の家庭だけど、申告は必要なのだろうか?」
ご家族の相続を考え始めたとき、多くの方が最初に抱く疑問ではないでしょうか。
かつては「相続税はお金持ちにかかる税金」というイメージがありましたが、平成27年の税制改正以降、状況は大きく変わりました。
この記事では、相続税がかかるかどうかの基本的な判断基準である「基礎控除」の仕組みと計算方法、そして香川県・高松市における現状を踏まえ、相続税申告が必要になるケースの見分け方について、分かりやすく解説します。
目次
「相続税はお金持ちだけの話」はもう過去の話?
まず、なぜ今、相続税が以前よりも身近な税金になっているのか、その背景からご説明します。
平成27年改正で基礎控除が縮小、香川県でも課税割合が増加(9.4%)
相続税には、「これ以下の財産額であれば相続税はかかりませんよ」という非課税の枠があり、これを「基礎控除」といいます。
平成27年(2015年)1月1日以降に発生した相続から、この基礎控除額が大幅に引き下げられました。具体的には、改正前の「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」から、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」へと、約4割も縮小されたのです。
この影響は大きく、香川県においても相続税の課税対象となる方の割合(課税割合)は増加しています。国税庁の報道発表資料によると、令和4年分における香川県の相続税課税割合は9.4%でした。これは、亡くなられた方のうち、およそ10~11人に1人の割合で相続税の申告が必要だったことを示しています。
相続税がより身近になった背景
基礎控除額の縮小により、これまで相続税とは無縁と考えていた一般的なご家庭、例えば「高松市内に持ち家(土地・建物)があり、あとは預貯金が少々」といったケースでも、相続税の課税対象となる可能性が出てきました。
相続税は決して「お金持ちだけ」の問題ではなく、多くの方にとって他人事ではない、身近な税金になっているのです。
相続税がかかるかどうかの分かれ道:「基礎控除」とは
では、相続税がかかるかどうかの具体的な判断基準となる「基礎控除」について、詳しく見ていきましょう。
相続税がかからない非課税枠「基礎控除」の計算式
基礎控除額は、以下の計算式で求められます。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
この計算式で算出した基礎控除額よりも、亡くなられた方の「遺産総額(相続財産の合計額から借入金などを差し引いた後の金額)」が少なければ、原則として相続税はかからず、申告も不要です。
逆に、遺産総額が基礎控除額を上回る場合は、相続税の申告が必要となります。
計算に必要な「法定相続人の数」の数え方
基礎控除額の計算で重要なのが「法定相続人」の数です。法定相続人とは、民法で定められた相続する権利のある人のことです。
- 配偶者は常に法定相続人となります。
- 配偶者以外は、以下の順位で法定相続人となります。
- 第1順位:子 (子が亡くなっている場合は孫)
- 第2順位:父母 (父母が亡くなっている場合は祖父母)※第1順位がいない場合
- 第3順位:兄弟姉妹 (兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪)※第1・第2順位がいない場合
【注意点】
- 相続放棄をした人: 相続放棄をした人も、基礎控除額の計算上は法定相続人の数に含めます。
- 養子: 実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで、法定相続人の数に含めることができます。
【具体例】我が家の基礎控除額はいくら?計算してみましょう

ご自身の家族構成にあてはめて、基礎控除額を計算してみましょう。
例1 相続人が配偶者と子供2人の場合
法定相続人は、配偶者、子A、子Bの合計3人です。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
この場合、遺産総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。
例2 相続人が子供3人の場合
法定相続人は、子A、子B、子Cの合計3人です。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
この場合も、遺産総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。
何が「遺産総額」に含まれる?基礎控除と比較する財産とは
基礎控除額と比較する「遺産総額」には、どのようなものが含まれるのでしょうか。単純な預貯金や不動産だけでなく、注意が必要な点もあります。
現金・預貯金、不動産、有価証券などプラスの財産
亡くなられた方が所有していた全てのプラスの財産が対象となります。
- 現金、預貯金
- 土地、建物(自宅、賃貸アパートなど)
- 株式、投資信託、国債などの有価証券
- 自動車、貴金属、骨董品、ゴルフ会員権など
これらの財産は、原則として相続開始日(亡くなった日)時点の「相続税評価額」で計算します。
生命保険金・死亡退職金の非課税枠を超えた部分
亡くなられた方が被保険者であった生命保険金や、勤務先から支払われる死亡退職金は、「みなし相続財産」として遺産総額に含まれます。
ただし、これらには相続人が受け取る場合に限り、それぞれ「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠があります。遺産総額に加えるのは、この非課税枠を超えた部分の金額です。
相続開始前一定期間内の贈与(持ち戻し対象)
亡くなる前の一定期間内(令和6年1月1日以降の贈与は最大7年間)に、相続人が亡くなった方から暦年贈与によって受け取った財産は、原則として遺産総額に加算(持ち戻し)して計算する必要があります。
借入金や未払金などマイナスの財産は差し引く
亡くなられた方が残した借入金(住宅ローンなど)や、未払いの税金・医療費など、マイナスの財産(債務)は、遺産総額から差し引くことができます。また、葬儀費用も控除の対象となります。
遺産総額 = (プラスの財産) - (マイナスの財産) - (葬儀費用)
この計算式で求めた遺産総額と、基礎控除額を比較します。
相続税の申告が必要な人・不要な人の見分け方
遺産総額と基礎控除額が分かれば、相続税申告の要否を判断できます。
「課税遺産総額(遺産総額 – 基礎控除額)」がプラスなら申告が必要
遺産総額から基礎控除額を差し引いた金額を「課税遺産総額」といいます。
課税遺産総額 = 遺産総額 - 基礎控除額
この課税遺産総額がプラスになる場合は、相続税の申告が必要です。
逆に、ゼロまたはマイナスになる場合は、原則として相続税の申告は不要です。
申告が必要でも、特例(配偶者控除など)で納税額がゼロになる場合も
注意点として、「申告が必要=必ず納税が発生する」わけではありません。
相続税には、配偶者が相続した財産の税額を大幅に軽減する「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」や、自宅の土地評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」など、様々な特例があります。
これらの特例を適用した結果、計算上の納税額がゼロになるケースも多くあります。
ただし、これらの特例を適用するためには、納税額がゼロであっても相続税の申告書を提出する必要がある点に注意が必要です。
正確な判断には「財産評価」が重要:特に香川県の不動産
ここまで、相続税申告の要否判断の基本的な流れをご説明しました。しかし、最も重要なのは「遺産総額を正確に計算すること」であり、そこには専門的な知識が必要となります。
自己判断は危険?不動産評価の難しさ
特に注意が必要なのが、不動産(土地・建物)の評価です。
香川県・高松市内にあるご自宅や土地の評価額は、固定資産税の評価額とは異なり、路線価や周辺の取引事例、土地の形状や利用状況などを考慮して、相続税法に基づき個別に評価する必要があります。
もし、ご自身で簡易的に計算した結果「基礎控除以下だから申告不要」と判断しても、専門家が正確に評価し直したら「実は基礎控除を超えていた」というケースは少なくありません。
申告が必要なのに申告しなかった場合、後日税務署から指摘を受け、本来の税額に加えてペナルティ(延滞税や加算税)が課されるリスクがあります。
まずは専門家による正確な試算から
「うちは相続税がかかるのだろうか?」と少しでも疑問に思われたら、まずは相続税に詳しい税理士に相談し、正確な財産評価に基づいた相続税試算を依頼することをお勧めします。
現状を正しく把握することが、適切な対応への第一歩です。
「相続税はいくらから?」まとめ
- 相続税は基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える財産にかかります
香川県でも課税割合は9.4%(令和4年分)と、決して他人事ではありません。 - 遺産総額にはプラスの財産だけでなく、みなし相続財産や生前贈与も含まれます
借入金などのマイナス財産は差し引いて計算します。 - 「遺産総額>基礎控除額」なら申告が必要です(納税額ゼロの場合も申告が必要なケースあり)
申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。 - 正確な申告要否判断には「正しい財産評価」が不可欠です
特に不動産の評価は複雑なため、自己判断せず専門家への相談をご検討ください。
相続税がかかるかどうかのボーダーラインは、以前よりも下がっています。ご自身の状況を正確に把握し、必要な手続きを期限内に行うことが大切です。
香川県・高松市で、「うちの場合は相続税申告が必要なのか知りたい」「財産の評価方法が分からない」といったご不安やお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、遠藤直樹税理士事務所の無料相談をご利用ください。お客様の状況を丁寧にお伺いし、分かりやすくご説明いたします。
執筆者紹介

税理士 遠藤 直樹
遠藤税理士事務所 代表
香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。





