香川・高松で生前贈与は税理士に相談?節税メリットとNGな贈与を解説

香川県高松市で相続税申告や生前の節税対策を専門に取り扱っている、税理士の遠藤直樹です。私は国税局・税務署に28年間勤務した経験を持つ、元国税調査官の税理士です。
「将来の相続税負担を少しでも減らしたい」「元気なうちに子供や孫に財産を渡しておきたい」
このように考え、相続税対策として「生前贈与」に関心をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
生前贈与は、計画的に行うことで相続税の節税に繋がる有効な手段の一つです。しかし、その一方で、やり方を間違えると「贈与したつもりが認められない」「かえって税負担が増えてしまう」といった思わぬ落とし穴もあります。
この記事では、生前贈与の基本的な考え方、メリット、そして特に注意すべき「やってはいけない贈与」について解説するとともに、税理士に相談する意義についてもお伝えします。
目次
相続税対策としての「生前贈与」とは?
まず、生前贈与がどのようなものか、基本的な考え方を確認しましょう。
財産を生きているうちに渡すことの基本的な考え方
生前贈与とは、文字通り「生きているうちに」「自分の財産を」「無償で誰かに渡す」ことです。
これに対し、亡くなった後に財産が引き継がれるのが「相続」です。
将来的に相続によって財産が移転する前に、計画的に生前贈与を行うことで、相続発生時の財産総額を減らし、結果として相続税の負担を軽減することが、生前贈与を相続税対策として活用する基本的な考え方になります。
主な方法:「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」
生前贈与には、主に2つの課税方式があります。
- 暦年贈与(れきねんぞうよ)
最も一般的な方法です。贈与を受ける人(もらう人)一人あたり、年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからない(基礎控除以下)という制度です。この非課税枠を利用して、毎年少しずつ財産を移していく方法が広く行われています。 - 相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)
原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫に対して贈与を行う場合に選択できる制度です。累計2,500万円までの贈与については特別控除があり、それを超えた部分について一律20%の贈与税がかかります。そして、贈与した人が亡くなった際に、この制度で贈与した財産を相続財産に加えて相続税を計算し、納付済みの贈与税額を精算(控除)します。
令和6年からは、この制度にも年間110万円の基礎控除が創設され、より利用しやすくなりました。
どちらの制度を利用するのが有利かは、贈与する財産の種類や金額、ご家族の状況によって異なります。
生前贈与の主なメリット:なぜ相続税対策として有効なのか
生前贈与が相続税対策として注目されるのには、主に3つのメリットがあるからです。
メリット1 将来の相続財産を計画的に減らせる(節税効果)
最大のメリットは、相続税の課税対象となる財産そのものを減らせることです。
例えば、暦年贈与の基礎控除(年間110万円)を利用して、お子様2人に毎年110万円ずつ、10年間にわたって贈与を続けた場合、合計2,200万円(110万円×2人×10年)の財産を非課税で移転できます。これにより、将来の相続財産が2,200万円減少し、その分の相続税負担を軽減できる可能性があります。
ただし、後述するように、相続開始前一定期間内の贈与は相続財産に加算されるルールがあるため、「早めに」「計画的に」行うことが重要です。
メリット2 渡したい相手に、渡したいタイミングで財産を移せる
相続の場合、財産の分け方は遺言書がなければ相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決まります。そのため、必ずしもご自身の希望通りに財産が渡るとは限りません。
一方、生前贈与であれば、「誰に」「いつ」「何を」渡すかを、ご自身の意思で決めることができます。
例えば、「孫の教育資金として援助したい」「事業を継ぐ長男に早めに自社株を渡したい」といった具体的な目的に合わせて、必要なタイミングで財産を移転できるのは大きなメリットです。
メリット3 相続時の家族間のトラブル(争族)防止にも繋がる
相続が発生した際に、ご家族間で財産の分け方を巡って意見が対立し、深刻なトラブル(いわゆる「争族」)に発展してしまうケースは少なくありません。
生前にご自身の意思で財産の分配を進めておくことは、将来の相続時における家族間の争いを未然に防ぐ効果も期待できます。財産を渡す際に、ご自身の想いや理由をしっかりと伝えておくことも大切です。
注意!「やってはいけない贈与」と判断される主なケース

生前贈与は有効な手段ですが、税務署に「これは贈与とは認められない」と判断されてしまうと、せっかくの対策が無駄になってしまいます。特に注意すべき代表的なケースを4つご紹介します。
ケース1 贈与の証拠がない(贈与契約書がない、口約束のみ)
贈与は、法律上は口約束でも成立しますが、税務上は「贈与があった」という客観的な証拠が重要になります。
後日、税務署から確認を求められた際に、「確かに贈与しました」「もらいました」という当事者の主張だけでは、証拠として不十分と判断される可能性があります。
少額であっても、贈与の都度「贈与契約書」を作成し、贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)双方が署名・捺印しておくことが、最も確実な証拠となります。
ケース2 もらった側が贈与の事実を知らない・管理していない(名義預金など)
「子供や孫のために、内緒で本人名義の預金口座を作って、お金を積み立てていた」というケースは非常によく見られます。
しかし、これらは税務上「名義預金」とみなされ、贈与とは認められません。
贈与が成立するためには、
- もらった側(子や孫)が、贈与を受けた事実を認識していること
- もらった側が、その財産(預金通帳や印鑑など)を自由に管理・処分できる状態にあること
が必要です。
通帳や印鑑を親(贈与者)が管理しており、子がその存在すら知らないような預金は、名義が子であっても、実質的には親の財産(=相続財産)と判断されます。
ケース3 毎年同じ時期・同じ金額の贈与(「定期贈与」とみなされるリスク)
暦年贈与の非課税枠(110万円)を利用する際、毎年決まった時期(例えば誕生日など)に、決まった金額(例えば110万円ぴったり)を長期間にわたって贈与し続けると、「連年贈与」ではなく「定期贈与」とみなされるリスクがあります。
「定期贈与」とは、「例えば、10年間にわたって毎年110万円ずつ、合計1,100万円を贈与することを最初から約束していた」と判断されるものです。この場合、贈与を開始した年に、総額1,100万円の贈与があったものとして、多額の贈与税が課される可能性があります。
これを避けるためには、
- 手間はかかりますが、毎年贈与契約書を作成する方が賢明であり、後になって自分で見直すことができるためおすすめします。
ケース4 相続開始前の一定期間内の贈与(相続財産への加算ルール)
暦年贈与によって贈与された財産であっても、相続開始前3年以内(※)に贈与されたものは、原則として相続財産に加算して相続税を計算しなければならない、というルールがあります。(※この期間は税制改正により令和6年以後に贈与した財産は7年に延長されました)
つまり、亡くなる直前に慌てて贈与を行っても、その節税効果は限定的になってしまうのです。
生前贈与による相続税対策は、「早めに」「長期的に」行うことが重要となります。
生前贈与を検討する際に税理士へ相談すべき理由
生前贈与はご自身で行うことも可能ですが、上記のような注意点や複雑な税制を考えると、専門家である税理士に相談することをお勧めします。
理由1 そもそも贈与が最適な対策か、他の方法と比較検討できる
相続税対策は生前贈与だけではありません。生命保険の活用、不動産の購入や組み換え、遺言書の作成など、様々な方法があります。
お客様の財産状況やご家族構成、将来の希望などを総合的に伺った上で、「本当に生前贈与がベストな方法なのか」「他の対策と組み合わせるべきではないか」といった、より広い視点からのアドバイスが可能です。
理由2 税務上「確実に贈与と認められる」手続きをサポートできる
「贈与契約書の作成」「贈与の履行(口座への振込など)」「贈与税申告(必要な場合)」といった一連の手続きを、税務署に否認されるリスクがないよう、法的に有効な形でサポートします。「名義預金」や「定期贈与」とみなされないための具体的なアドバイスも行います。
理由3 税制改正(例:7年ルール)など最新情報を踏まえたアドバイスが可能
相続税や贈与税に関する税制は、毎年のように改正が行われます。特に近年は、暦年贈与の加算期間延長や相続時精算課税制度の見直しなど、大きな変更がありました。
常に最新の税制を把握し、その影響を踏まえた上で、お客様にとって最も有利な対策をご提案できるのは専門家ならではの強みです。
理由4 二次相続など長期的な視点でのプランニングができる
相続は一度で終わりではありません。例えば、ご主人が亡くなった際(一次相続)の配偶者の相続分を多くしすぎると、次にその配偶者が亡くなった際(二次相続)にお子様たちの相続税負担が非常に重くなってしまうことがあります。
生前贈与を行う際も、目先の節税だけでなく、ご家族全体の将来的な税負担まで考慮した、長期的な視点でのプランニングが重要です。
香川県・高松市で生前贈与をお考えなら、まずはご相談ください
生前贈与は、正しく行えば有効な相続税対策となりますが、一歩間違えると意図しない結果を招く可能性もあります。
お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案します
当事務所では、相続税申告、生前対策を専門に取り扱う税理士として、お客様一人ひとりのご状況やご希望に合わせた、オーダーメイドの生前贈与プラン・相続税対策プランをご提案いたします。
「何から始めればいいかわからない」「自分の場合はどの方法が良いのか」といった漠然としたご相談でも構いません。まずは初回無料相談をご利用いただき、皆様のお悩みやご希望をお聞かせください。
「生前贈与と税理士相談」まとめ
- 生前贈与は相続税対策として有効だが、正しい方法で行うことが重要
将来の相続財産を減らし、円満な財産承継にも繋がります。 - 「名義預金」「定期贈与」などは税務署に否認されるリスクがある
贈与契約書の作成や、財産の管理状況など、客観的な証拠が大切です。 - 相続開始前一定期間の贈与は相続財産に加算されるため注意が必要
早めに、計画的に対策を始めることが節税効果を高めます。 - 最適な対策や確実な手続きのためには、税理士への相談が有効
最新の税制や長期的な視点も踏まえたプランニングが可能です。
大切な財産を、ご自身の想いと共に、円満に次世代へ引き継ぐために。生前贈与はその有効な選択肢の一つです。
香川県・高松市で生前贈与や相続税対策についてお考えの方は、ぜひ一度、遠藤直樹税理士事務所の無料相談をご利用ください。親身になってサポートさせていただきます。
執筆者紹介

税理士 遠藤 直樹
遠藤税理士事務所 代表
香川県高松市にて相続税・生前対策専門の税理士事務所を運営。元国税調査官として28年間培った経験を活かし、香川県内で相続税申告や生前の節税対策でお悩みの方を親身にサポートしています。


